

【アリス】 はじめてついたピアノの先生がハンガリー人の先生で、8年間ついていたのですが、その方の影響もあり、リスト、バルトーク、リゲティらの音楽には深く携わって育ってきました。
中でもリストに関しては、12歳の頃から、超絶技巧練習曲のうちのいくつかをはじめていて、いつかは全曲揃えて弾きたいという気持ちが強くありました。
「超絶技巧練習曲」という題名からも技術的なものが表に出て誤解されやすいですが、この作品にはそれだけにとどまらないリストの人生、人間そのものの深さがあると信じています。私はそれを掘り返してみたいと考えました。全曲を聴き通しますと人間の持つあらゆる感情の一切合財のもの(怒り、嘆き、アイロニー、誘惑、よろこび、たのしさ)が含まれていることに気づきます。
そういった、音と音の間に隠れている音楽性を聴き手に示すことが演奏家にとって大切なことと考えておりますので、この曲集の中から、いくつか曲を選んで聴いていただくのではなく全曲を通じて聴いていただくというのが、今自分が言いたいことを一番聴き手にお伝えできるのではないかと思い選びました。
ご多忙の中貴重な時間を頂きましてありがとう御座いました。4歳から始められて僅かの年月でプロの演奏家として世界中で聴衆を熱狂させる技量にまで自身を高められたというのは、天分の才だけに頼らない相当の自己研磨があったのだと察します。その修練の経験がアリスさんの音楽に深い彫琢を与え、大きな説得力となって聴き手を圧倒しているように思います。暖かな家庭環境と厳しい練習に育まれたアリスさんから、今後ものびのびとした大きな音楽が繰り出されることを期待したいと思います。
【古典派インタビュアー:大澤】
【 アリス=紗良・オットさんの意外な素顔がわかる、エンタメライフに関するインタビューはこちら 】
リスト:超絶技巧練習曲
LISZT: ETUDES D'EXECUTION TRANSCENDANTE
アリス=紗良・オット (ALICE SARA OTT)
日本盤のみボーナス・トラック
ラ・カンパネラ
(パガニーニ大練習曲 第3番 嬰ト短調)
2008年11月26日発売
録音:2008年6月 ハンブルク
UCCG-1440 ¥2,500 tx in
作曲家=ヴィルトゥオーソ、ロマン派の大家であるリストの『ピアノという楽器の表現の限界への挑戦』であり、ロマン派の『夢と情熱、美しさに』満ちた大作である《超絶技巧練習曲集》。この一握りの真の大家にのみ許される難曲を早くもデビュー・アルバムで制覇しているアリス=紗良・オット。驚異的な指のなめらかさと煌びやかな音色、重厚な響きを生み出す強靭なタッチ、優美な歌と内省的な静寂、それら全てをコントロールしながら輝きを増す強烈な個性、そして留まることを知らない進化と深化。彼女は全てを持っている!
アリス=沙良・オット
1988年のミュンヘンでドイツ人の父と日本人の母の間に生まれたアリス=紗良・オットは4歳の時にピアノのレッスンを受け始めた。7歳の時にドイツの名門、ドイツ連邦青少年音楽コンクールで見事に優勝。それを皮切りに、スタインウェイ国際コンクール、グロートリアン・シュタインヴェーク国際コンクール、ケーテン・バッハ・コンクール、そして第4回欧州ピアノ指導者連盟コンクールなど、数々のコンクールで”MPA”(モスト・プロミッシング・アーティスト)を受賞、その2年後にはイタリアで開催されたピエネロ・デルヴァルティドーネ国際コンクールに最年少で出場し、歴代最高得点を獲得、最優秀賞であるシルヴィオ・ベンガーリ賞を受賞した。
そして、2008年7月、ハンブルク。ドイツ・グラモフォンが当時19歳だった、アリス=紗良・オットと専属契約を発表!
「6歳の時、ドイツ・グラモフォンの鮮やかな黄色いロゴがついたカセットを貰って、両親にいずれ私もこのようなカセットを出せるかと訊いたことがありました。今、私の夢が実現したのです。音楽という言語を通じて、私の気持ちや感情を皆さんと共有し、限りなく増えゆく聴衆、それも私の年代を含む人々を感動させることができるなんて、これ以上の満足はありません。ドイツ・グラモフォンの一員になれたことは、信じられないほど名誉なことだと思います。」
[ 主な受賞歴 ]